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気管支喘息について

気管支喘息

気管支喘息は別名「慢性剥離性(はくりせい)好酸球性気管支炎」といいます。好酸球はアレルギーの細胞です。別名の意味は慢性的にアレルギーによって気管支が剥がれて炎症が起こっているということです。

正常の気管支は気管支が収縮することもなく気管支の上皮が剥がれてもいません。気管支喘息が起こると気管支が収縮し、その時に気管支の上皮が剥がれます。夜座っていなければならないぐらい苦しくなると、気管支はもっと強く収縮し、上皮もたくさん剥がれます。

気管支が収縮すると気管支は狭くなり(気道狭窄)、狭いところを通る空気は少なくなりぜいぜいいったり(喘鳴)、息がしんどくなります(呼吸困難)、また気管支の上皮が剥がれると気管支の神経がむき出しになって、敏感になってしまいます(気道過敏性の亢進)。気管支が敏感になるということは、気管支が持っている刺激に対する限界点(閾値)が下がることです。喘息のない人の限界点が50くらいあるとすると、喘息の人で発作のない時期の限界点が5、発作のある時期の限界点は1に低下しています。喘息の発作を起こす原因(抗原)がこの限界点を超えると発作が起こります。

診断は症状と呼気一酸化窒素(NO)の上昇、喀痰好酸球の増加、気道収縮の証明で行います。

喘息の治療は限界点をどうやって上げるかと同時に下げないかがポイントです。長期管理薬と呼ばれる薬を続けて限界点を上げます、そうして何も症状のない状態を維持します。もし少しでも気管が狭いと感じたら、早めに発作治療薬で気管支を広げ限界点が下がるのを予防します。まったく発作がない、起こりそうにもないという良い状態を、長く続けることよって限界点を上げていきます。

軽症の気管支喘息

軽症の気管支喘息は多くの場合、風邪を引いたときに夜間の症状が出ます。夜布団に入ると咳でなかなか寝付けない、だましだまし寝るが夜中に咳で眼が覚める、ひどいと夜座ってぜいぜいいう。明日は病院に行こうと思うが、朝になると咳が止まっていて病院に行かない。昼間は治ったと思って過ごしているが、夜になるとまた同様の症状が出る。2週間から1ヶ月すると何となく良くなる。しばらく症状はないがまた風邪を引くと同様の症状が出る。こういう場合軽症の気管支喘息である可能性があります。軽症の気管支喘息も早く治療を開始することで、一年中症状が出るようになるのを防ぐことが出来ますので、早めの治療が必要です。

咳喘息

当院を長引く咳で受診される多くの患者さんが、咳喘息と診断されます。 夜布団に入ると咳が出る、何とか眠るが夜中に咳で目覚める。かといってぜいぜいすることもなく息が苦しいわけでもない。タバコの煙や寒暖の差、長電話などで咳が出やすい。 診察では呼気NOの上昇、喀痰好酸球の増加を証明すれば確実に診断できます。 よく話を聞いてみると、これまでにも風邪の後や季節の変わり目に咳が長引いた方が多いようです。

咳喘息は気管支前段階と呼ばれるもので、気管支喘息と同じ吸入薬を2~3ヶ月使います。いったん良くなりますが治療を終えた後でも、風邪を引くなど咳が出やすくなる時には吸入薬を再開することが必要です。

胸痛喘息

胸痛を主な症状とする喘息で、咳喘息と同様に喘鳴がほとんどありません。その症状から循環器を受診することが多いのですが、心臓、大血管など循環器に異常がなく、診断に困ることが多いようです。喘息の治療(吸入)で胸痛が良くなるのですが、この病態の認知度が低く、なかなか診断に至りません。喘息の既往や家族歴があって、循環器に異常がない場合は、胸痛喘息が強く疑われます。気管支拡張薬の吸入で胸痛が軽快し呼気NOの上昇、喀痰好酸球の存在が証明できれば、診断は容易です。

我が国ではその存在があまり認識されておらず、診断に至らないケースが多いとされています。