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慢性の咳について

咳外来

通常診療の中で咳外来を行っています。喀痰好酸球検査、呼気一酸化窒素、肺機能検査、胸部レントゲンなどで診断します。

喀痰好酸球(EO)

痰をスライドグラスに塗って染色して顕微鏡で見ると、好酸球や好中球、細菌などが観察できます。気管支喘息や咳喘息で好酸球が増加しています。

呼気一酸化窒素(NO)

no ゆっくり10秒間息を吐いて検査します。 呼気一酸化窒素は気管、気管支の好酸球性(アレルギー性)炎症を反映しています。気管支喘息、咳喘息で上昇します。NOが高い時には診断価値がありますが、低い時にはアレルギー性炎症がないとは言い切れず、アレルギー性炎症を見落とす危険があります。喀痰好酸球と組み合わせると見落としを防ぐことができます。 NO検査は飲食により一時的に変化することがあります。検査前1時間は飲食を控えてください。

肺機能検査

肺活量や気管支(気道)が狭くなっているかがわかります。
気管支喘息やCOPDでは気道が狭くなっており、その診断に有効です。
気道の太さだけを測定する簡便なピークフローで代用することも可能です。

慢性の咳の初診は

診察、検査、診断、説明などに約1時間かかります。時間に余裕をもって早い時間の受診をお願いします。

百日咳と診断されたら

成人の慢性の咳に対し百日咳と診断されるケースが散見されます。
百日咳の診断は抗体価の著しい上昇、ペア血清(症状が出てから1週間以内とその2週間後の2回)で4倍以上の上昇で疑われます。しかし軽度の抗体価の上昇はワクチンでも認められます。軽度の抗体価の上昇や一度の測定で百日咳と診断してはいけないことを意味しています。 また、PT-IgGという検査も症状が出てから、4週間以上経ってから検査しないと上昇しません。

百日咳は三種混合ワクチン(DPTワクチン)を義務接種されており、基本的には皆抗体を持っているはずです。しかし2007年に大学生の間で百日咳が流行したこともあり、抗体価が低下して来ていることも指摘されています。したがってワクチンを接種している成人でも百日咳にかかる可能性は残ります。しかし百日咳は終生免疫なので一度かかると二度とかかることはありません。長引く咳で百日咳と診断されて一度治り、また長引く咳が再発し、二度目が百日咳である可能性はありませんが、同様の症状で来られる人も少なからずおられます。成人で百日咳と診断されたときは、少し疑ってみる必要があります。ただし周りで百日咳が流行している時は例外です。

IgE

IgEはアレルギーを調べる検査ですが、全身のどこかにアレルギーがあると陽性に出ます。
長引く咳でスギ花粉症を持っている人がスギのIgEが高くても、当然スギ花粉症で高く出るはずで、咳がスギによるアレルギーで起こっているかどうかはわかりません。IgEが高いだけで咳の原因がアレルギ-であるとは診断できません。